Kikuchi Shunji exhibition sales
ジャケットに袖を通し、ニット帽をすぽっと被って準備万端と外に出ると、木々や街並みの変化が楽しくて、いつも鼻先が冷たくなるまで歩いてしまいます。顔に当たる朝の空気がひんやりしていたり、空が暗くなるのが以前よりも早くなっていたりと、気付くとすっかり季節が移り替わりましたね。
これからどんどん寒くなっていきますが、その一方で、心がほっとする瞬間は増えていくように感じます。喫茶店で飲むコーヒー、お風呂に浸かっている時、お家に着いてソファでゆっくりする時間、、そんな気持ちが安らぐひとときが多いほど人にも自分にも優しくなれますよね。今回は、見ているだけで心が温かくなり、優しい気持ちになれる。そんなイベントのご紹介です。
11月16日(土)-11月22日(金)の7日間、菊池俊治さんによる磁器の展示、販売会を開催いたします。
ここで菊池俊治さんのご紹介を。
現在、石川県で制作活動をされている菊池さん。作品の多くは鋳込み(いこみ)という製法を用いており、美術大学に入学後、ご友人などとの環境の中で特に陶芸に興味を持ったところから、鋳込み製法を学んでいったそうです。また、デザインのインスピレーションは、ご自身で描かれたスケッチからを得るとのこと。幼少期から絵を描くのが好きで、親御様の似顔絵や鳥の絵を描いていたんだとか。
均一な厚さを保ちながらも、様々な形状を作ることができる鋳込み製法。
泥しょうという液状にした土を、吸水性のある石膏の型に流し込み、石膏の型がある程度の水分を吸収したところで、余分な泥しょうを捨てます。そうすることで、固まった残りの部分が形になるそうです。
白を基調としたデザインと滑らかな質感は、長い年月をかけて角がなくなった天然石のように美しいです。置く場所や角度によって陰影が変わり、様々な表情を見ることができるため、季節や時期、インテリアに合わせて置き場所を変えるのも楽しみですね。なんてことのない1日だったとしても、そういった変化に気付けるだけで新しい幸せを見つけたようで心がほっこりしてきます。
また、ブラウンのまねきねこもご用意していただいております。こちらは鋳込みではなく、石膏型に板を押し付けて成型しているのだとか。質感や色の違い、影の入り方も異なることにより、また違った表情、ぬくもりを感じることができるため、是非そういった違いも楽しみながらご覧下さい。
そして、今回のイベントでは*酉の市にちなんで幸福を招くまねきねこのアイテムも豊富に作成していただいております。
酉の市、まねきねこ、共に歴史は長く、なんと江戸時代から続いているとのこと。また、どちらも開運招福、商売繁盛を願うという共通点があります。まねきねこは手の挙げ方によって意味が異なり、右手を挙げているものは金運、左手を挙げているものは人を招くとされています。また、それぞれの色によっても交通安全(青)、恋愛(ピンク)、健康(赤)などの意味が込められているそうです。その他には、手の高さなんかにも意味があり、長く伸びているほど遠くの福を、短いほど身近な福を招くんだとか。菊池さんが作り出すまねきねこの多くは、右手を挙げた白色。白には、(開運招福)運が開けて幸せな笑顔を招くという意味があるそうです。
*酉の市 関東各地で行われる開運招福、商売繁盛を願う祭り
「質感、形状にこだわっていますので、是非お手にとってご覧ください!」と語る菊池さん。
どこに置こうかな、家に帰ったらこのスプーンでアイスを食べよう、このマグカップでココアを飲んだらもっと美味しく感じられるな、なんて考えを膨らませながら、菊池さんの作品の数々をお楽しみ下さい。スタッフ一同、心よりお待ちしております。